ラズベリーパイでNASを構築してみた。多分私にとってこれが最適解なのかもしれない。
NAS(なす)とは
NASとはNetwork Attatched Storageの略で、直訳するとネットワークにつけられたストレージでファイルの共有を目的とした機器/サービスとなります。
ファイルの共有ってなんぞ?という方がいらっしゃると思いますが、パソコン(コンピュータ)の間で、ファイルの受け渡しをする場合、ネットワークつながっていない場合USBメモリなどを利用します。ネットワークがつながっていますと、ネットワーク経由でファイル(データ)のやり取りが可能となります。NASはそのファイル共有を専門に行う機器となり、ファイルサーバーと呼ばれることもあります。
お仕事などで協調しながらお仕事する場合には、共有フォルダを作成してファイル(データ)を相互に編集するなどの仕組みを整えて仕事を進めるということも行います。
記者はウサギ小屋おじさんなわけですが、家にデスクトップPCが2台稼働(メインPCと大画面で動画見る用に)している不思議な状況なので両方のパソコンからファイルをアクセスしたい需要があります。
何を用意したか?
今回はhttps://zenn.dev/oversleep/articles/3f9ad984a37aba様の記事を参考にOpenmedia Valutというソフトウェアを利用して、raspberry piをNAS化していきたいと思います。
準備したもの:
- 内蔵用のHDD x2 8TB
- ロジテックの2ベイHDDケース
LHR-2BRHU3(https://amzn.to/3SOVKoi)というタイプのものです。 - 起動用MicroSD 128GB(※OSが動けばよいので 16GBでもよい)
- Raspberry Pi 4
上記を利用して、NASを構築していきます。
NASを構築していく
まず始めに土台となるRaspberry Pi OSをインストールする準備をします。
パソコンにMicro SDを装着しRaspberry Pi Imagerを起動します。
必要なソフトウェアはのちの工程でインターネットから自動的に取得しますので、OSは64 bitのlite版を選択します。
ご自身の環境に合わせて、ユーザーの設定をしておきましょう。
注:後でインストールするソフトウェア等の兼ね合いで”admin”とかユーザーを指定するとハマる原因となりますので、”pi”とかにしておく方が無難です。
書き込みが完了したら、マイクロSDをラズパイに装着して起動させます。
起動してきたら、ログイン(自分が先に設定したユーザー、パスワードを使用)して、パッケージソフトウェアを更新しておきます。
sudo -i
# パスワードを聞かれたらログインしているユーザーのパスワードを入力する。
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt upgradeは更新量が多いと1~2時間かかります。気長に待ちましょう。
完了したら、openmediavaultの導入をしていきます。
cd /opt/
wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash
上記のwget ~ sudo bashまでは一行で入力してください(多分、コピペであれば問題ないと思いますが。。)。導入が始まると1時間ぐらい待たされます。
その間に、外付けのHDDを用意しましょう。
私の場合は8TBのHDDを2つ用意し、それを格納できるUSBのHDDのケースを準備しました。
上の状態にカバーをかぶせる感じです。準備しました。USB 3.0ケーブルがついているのでraspberry pi 4の青いUSBポートと接続します。もちろん電源の接続も忘れずに。。
openmediavaultの導入が完了、HDDの接続が完了したらNASとして利用できるように設定していきましょう。
・初期設定をしていく
導入時に設定したユーザーでログインしていきます。
※注意※
openmediavaultの導入が完了すると、wifiの設定が飛んで利用できなくなる場合があります。
その際には、ラズパイにキーボード、モニタを接続して直接コンソールを利用するようにしましょう。
ログインしたら、まずはomv-firstaidを利用して初期設定していきます。
sudo omv-firstaid
上記コマンドを実行すると、以下のメニューが出てきますので、必要なものを実行していきます。
重要なものは以下になりますので、各メニューを矢印キーで選択しメニューに入っていきます。
*各項目を選択したあとにメニューに戻ってこれないのでちょっと面倒です。。。
-1. Configure network interface
基本の設定はDHCPとなっており、ラズパイの電源off/onでアクセスするIPアドレスがコロコロ変化するのは好ましくありませんので、IPアドレスを固定します。
-2. Configure time zone
自分が利用する地域の時間帯を指定します。多分読んでいる方のほとんどは日本での利用を考えている思いますので、Asia/Tokyoで問題ないと思います。おそらく、デフォルトはUTCで設定されていると思いますので、実際に使い始めたときに「なんか9時間遅れてる。。」と思ったときはこちらを疑いましょう。
-4. Change Workbench administorator password
openmediavaultを設定するユーザー「admin」のパスワードを変更することができます。
現在は設定の必要は任意ですが、パスワードを忘れてしまった場合に便利です。
上記で初期の設定は完了です。
・NASを設定する
基本設定が完了したらNASの設定を行っていきます。Webブラウザを起動し、前述 1.で設定したIPアドレスを入力すると下記のログイン画面が出てきます。
ユーザー名には「admin」パスワードには前述 4.で設定したもの、またはデフォルトの「openmediavault」を入力します。ログインできれば、下記のような画面が出てきますので、”ストレージ”項目から設定していきます。
・ストレージを設定する
”ストレージ”→”ディスク”で接続したドライブが認識していることを確認しましょう。確認ができたら、NASとして利用できるように変更していきます。
NASとして利用したいドライブを選択したのちに消しゴムのアイコン[ワイプ]をクリックします。
**注意**
この操作は元々入っていたデータを削除します。必要ならばデータのバックアップをとり、
十分に検討してから行ってください
本当に削除するの?みたいなことを聞いてくるので、チェックボックスにチェックを入れて削除をクリックすると、データの削除を開始します。
完了すると上記の構成変更の通知が画面上に出ますので、右端のチェックマーク[適用]をクリックします。結構な頻度で出現して鬱陶しいのですが、やっておかないと変なところで画面が固まったりしますので確実に適用していきましょう。
データの削除が終わったら、”ストレージ”→”ファイルシステム”で書き込む領域を作っていきます。
〇に+のアイコンをクリックします。
なんかずらずら出てきてよくわからないと思います。
自分もあんまりわかってないですが…以下代表的なものとなっています。
BTRFS – NASなどデータ保存機能に特化したファイルシステム。snapshotがとれるらしい
EXT3 – 一昔前(10~5年前)のLinuxOSで使用されていたファイルシステム
EXT4 – 現在のLinuxOSで使用される代表的なファイルシステムの一つ
XFS – 商用UNIX(高価!)で利用されるZFSを模したファイルシステム。意識が高い
適当に選択して、ワイプしたHDDを選択してあげると、ファイルシステムを作成し始めます。
小窓が出てきて”閉じる”ボタンをクリックするとマウントの画面に移行します。こちらも先ほどファイルシステムを作ってあげたHDDを選んであげてマウント(OS上のディレクトリとHDDを紐づけする作業)をします。閾値を適当に決めて、保存ボタンですね。
次に”ストレージ”→”共有フォルダ”を選択します。外に見せるためのフォルダを作成するための項目ですね。ここでも〇に+のアイコンをクリックします。
アイコンをクリックすると以下のメニューが表示されますので
“名前:” 外部共有をするときに使用するときのフォルダ名。自分で決めましょう。
“ファイルシステム:” 先ほど作成したHDDを選択してあげる。
あとは適当でよいです。で”保存”ボタンで設定が完了します。共有フォルダは同じファイルシステム内に複数個作成可能ですので、お好みに合わせて作成しましょう。
・サービスを設定する
ストレージが設定出来たら次にサービスを設定します。ここでは、Windowsで共有するようの”SMB/CIFS”を設定します。 ”サービス”→”SMB/CIFS”→”共有”を選択します。Linuxなどで共有したい場合は”NFS”を選択しましょう。
ここでも、〇に+のアイコンをクリックして共有設定を行います。
いっぱい出てきますが、大事なところは”有効”にチェックが入っていることの確認と、”Shared Name:”のところで、ストレージの項目で作成した共有フォルダ名を選択してあげることです。右の下三角をクリックすると候補が出てきます。
完了したら、画面のだいぶ下にある。保存をクリックして設定を保存します。共有フォルダを複数作った場合には、共有フォルダぶん同じ作業を繰り返しましょう。
ついでですが、”サービス”→”SSH”でラズパイのコマンド画面にログインするための設定をすることができます。ここは割愛します。
・ユーザーを設定する
最悪adminユーザーだけでも個人で使用する分には構いませんが、気分的にユーザーは分けましょう。”ユーザー”→”ユーザー”をクリックします。
ユーザーを作成するには〇に+のアイコンをクリックですね。
最低限の設定で動かすには下の3つを設定して”保存”すればOKです。
”名前:”ユーザー名を決めます。
”パスワード:”パスワードを決めます。
”パスワードの確認:”パスワードで設定したものをもう一度入力します。
以上でNASとして利用できるようになったと思います。
実際に利用してみる
ではwindows側からどのように利用するか見てみましょう。
windowsの”ここに入力して検索”またはwindowsキー + Rで「ファイル名を指定実行」で以下を入力します。
\\[NASのIPアドレス]
上記の画面例OKボタンを押すと、ユーザー名とパスワードを聞かれますので、ユーザーの項目で決めたユーザー名とパスワードを入力します。
成功すると、自分が設定した共有フォルダが見えてくるはずです。
最後に
駆け足だったり、周り道だったりしましたが個人的には丁寧にraspberry piをNASにする方法を書いてきました。ファイルシステム?、ネットワーク共有?などわかりにくい言葉もあったと思いますが、その辺解説はすっ飛ばしているのであまり理解できなかったかもしれません。
なんかHDDがゴロゴロ家の中にあったり、ラズベリーパイの使い道がないという方にはいい使い方たかもしれません。このopenmediavaultはフリーソフトの割に、NAS標準的な機能が網羅されていて勉強のし甲斐があるものだと思いました。
紹介したのは30%ぐらいしかないですが、googleなどで、”ラズパイ NAS openmediavault”などと検索してあげると、さらに込み入った使い方を指南してくれる記事がありますので、興味を持たれた方はご確認してみると良いかもしれません。
以外に長文になってしまった記事ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。