持て余すラズベリーパイ

勢いで購入してしまったものの、持て余してしまうITガジェットと言えばRaspberry Pi(多分に記者の偏見が含まれています)。その利用方法を模索していこうというための記事。

持て余している方の活用方法の少しでも助力になれば幸いです。

Raspberry Pi とは

 Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータです。日本語では略称としてラズパイとも呼ばれています。もともと教育で利用されることを想定して制作され。IoTが隆盛した2010年代後半以降は、安価に入手できるシングルボードコンピュータとして趣味や業務(試作品の開発)等としても用いられるようになりました。

シングルボードコンピューターとは手のひらサイズの電子基板の上にCPU、メインメモリ、チップセット、入出力端子を備えた小型コンピュータのことです。

Raspberry PiはOSにRaspberry OSというLinuxベースものが採用されているため、Linuxの世界で流通している様々なソフトウェアの利用が容易で、ストレージ(micro SDカード)、モニター、キーボード、マウスを接続しパソコンのような利用方法をとることができます。

利用方法を考える

 そんな安価で魅力的なRaspberry Piですが、デメリットといえば勢いで買ってしまうと、何に使ってよいかわからないという問題に遭遇します。
 お家においているWindowsやMacといったパソコンより高い目的意識をもって購入しないと、買ったがよいが電源も入れず購入で満足という結果にもなりかねないです。そんな個体が記者のお家に2個ぐらいあります。

代表的な利用法としては以下が考えられます。

  1. Linuxのソフトウェア、サーバーソフトウェアの勉強をする
     先にもお伝えした通りRaspberry OSはLinuxベースのものが採用されております。Linuxは中心部のソフトウェアが無料で提供されているものの、世界中に開発者、利用者が多いオペレーティングシステムとなっております。
     Linux上で動作する、Apatch、nginxといったwebサーバープログラムや、頑張ればファイル共有サーバ、wordpressサーバーなども1から(悪くいえば面倒くさいところも含めて)勉強できます。
  2. プログラムの開発環境を作る
     LinuxはCやPythonをはじめとしたプログラミングの開発環境を構築することも可能です。
    前述の説明ともかぶりますが、webサーバーも動かすことが可能ですので、Java ScriptやPHPといったweb系の開発言語も勉強できる環境を構築することが容易です。
  3. IoTや電子工作の勉強、趣味に利用
    ラズベリーパイにはGPIOという電気信号のやりとりを行うためのピンが用意されています。GPIOにセンサーやモーターなどのアクチュエーターをつけて、センサーから入手できる情報をプログラムを処理、モーターなどを動かすといったことができます。
  4. エミュレーター
     エミュレーターとはある装置や、システムの挙動を模倣して代替として用いることができるソフトウェアのことです。たとえば、Nintendo SwitchでスーパーファミコンやNintendo 64のゲームができるのはエミュレーターと呼ばれるソフトウェアのおかげです。
     ラズベリーパイで動作するLinux OSでも探せばゲーム機エミュレータのプログラムは多数見つかります。それらをパッケージした’Retro PI'(https://retropie.org.uk/)といったものや’Recal Box'(https://www.recalbox.com/)というものがあります。それらをRaspberry Piに導入して、ゲーム機として利用するのもよいですね。
    ※ソフトウェアの著作権等グレーなところがありますので、きちんと確認してから遊びましょう。

まずはRaspberry OSの導入からリモートアクセスまで

 何に使うかはどうであれまずはRaspberry OSの導入から初めて見ましょう。

 ・導入に必要なもの
   - Raspberry Pi 本体
   - micro SDカード (容量 16GB~)
   - 電源
   - SDカードにイメージを導入するための環境(パソコン、micro SDカードリーダー)
   - ネットワーク環境
・あると便利なもの
   *無くても導入は可能ですが作業が困難を極めますので、以下のものを追加で用意しましょう。
   – キーボード、マウス
   – モニター (HDMI接続)

まずは、ネットが接続されているパソコンにRaspberry Pi Imagerを導入しましょう。Raspberry Piの公式ページ(https://www.raspberrypi.com/software/)からダウンロードできます。

 ダウンロードしたファイルをダブルクリックをすると、Imagerのインストールが始まりますのでインストールを実施します。完了したら、ソフトウェアを立ち上げてみましょう。

ご自身が所持しているRaspberry Piのデバイス、インストールしたいOS(どれにすればよいか不明な場合は ”Raspberry pi OS (64bit)”を選択しましょう)、パソコンに接続したmicro SDカードを指定します。

“次へ”をクリックします。

 OSの設定をするか?聞かれるので必要があればします。設定ではWifi(無線LAN)の設定、SSH(リモートアクセス)などの簡単な設定ができます。設定が問題なくできて、知識のある方はマウス/キーボード/モニター無でもその後使い続けることができます(もちろん使い方次第ですが)。

イメージのインストールの完了したら、micro SDをRaspberry Piに装着し電源(マウス/キーボード/モニターも接続しましょう)を投入して、OSが起動してくるのを待ちます。

・外部から接続できるように

 立ち上がったら、まずはラズベリーのアイコン→設定→”Paspberry Piの設定”を選択しましょう。

 設定画面が出てきたら、インターフェイスを選択し、”SSH”、”VNC”の横のスライドスイッチをクリックしてその後にOKをクリックします。SSHはCLI用、VNCはGUIでRaspberry Piを操作できるようになります。

そもそも画像のように「日本語になっていないのですが」という場合にはLocalization(ローカライゼーション)項目でlocale settingをしてあげれば日本語表記になります。

 インターフェイスの設定が完了したら、LANケーブル装着(またはWiFiの設定を実施)し、ネットワークの設定を確認しましょう。DHCP(ネットワークアドレスが勝手に設定される)環境があるのであれば(最近のホームルーターは大体そのような設定になっているはず)以下のコマンドで、IPアドレスを確認できるはずです。ターミナル(ラズベリーのアイコン→アクセサリ→LXTerminal)を開きましょう。

ターミナルが開けましたら、以下のコマンドのコマンドでRaspberry PiのIPアドレスを確認します。

ip -4 addr show

上手くいくと以下のような表示が見えます。記者の環境は無線LANの設定をしているので、wlan0の項目にIPアドレスが設定されているのが確認できます。

このIPアドレスを覚えておくと、普段使っているパソコンから接続できるか確認します。

Windowsパソコンの例でいうと、Tera Term、PuttyといったターミナルエミュレータソフトでCLIの利用、RealVNC ViewerというソフトウェアでGUIの操作が可能になります。

TeraTerm Project (https://teratermproject.github.io/)
RealVNC Viewer ダウンロードページ (https://www.realvnc.com/en/connect/download/viewer/)

まとめ

 だいぶ長くなってしまいましたが、持っている人は「学びなおしてやろう」という気持ちでやると時間つぶしになります。
 というのもLinuxが世に出てから30年強の長い歴史がありますので、それぞれを学ぶにもかなりの時間がかかります。すべての分野にというのは絶対に無理ですので興味のある簡単なところからやっていくのもよいと思います。


 最後までお読みいただきありがとうございました。

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